Cloudflareを利用するWordPressで「Error 1034: Edge IP Restricted」が表示されたら、ドメインが使っているIPアドレスをCloudflareのエッジ検証が制限しています。
これはWordPressのテーマやプラグインが直接起こすエラーではありません。DNSレコードの接続先、Cloudflare for SaaSのカスタムホスト名登録、BYOIP・専用IPとCloudflareアカウントの関連付けを確認します。
エラー画面、完全なURL、Ray ID、発生時刻、DNS変更前の値を保存するまで、A・AAAA・CNAMEを削除しないでください。正しい接続先が分からないまま値を入れ替えると、1034が消えても別のDNS・SSL・到達エラーへ変わる可能性があります。
先に結論:Error 1034は8段階で確認する
- 1034の画面、Ray ID、URL、時刻とタイムゾーンを保存する
- 影響するホスト名とページ範囲を切り分ける
- Cloudflareで正しいアカウント・ゾーンを選ぶ
- DNSレコードのType、Name、Content、Proxy statusを保存する
- Contentに1.1.1.1や管理していないIPがないか確認する
- SaaS利用ならCNAME先とカスタムホスト名の状態を確認する
- BYOIP・専用IPなら利用権限、委任、Address Mapを担当者へ確認する
- 原因設定だけを直し、DNS・HTTPS・WordPress機能を再確認する
DNSレコードがCloudflare IPやプロキシ循環を指す1000なら、Cloudflare Error 1000の確認手順を使います。名前解決そのものが失敗する1001は、Cloudflare Error 1001のDNS・CNAME確認手順へ進んでください。
Cloudflare Error 1034とは?
Cloudflare公式のError 1034は、ドメインが使用するIPアドレスをEdge IP Validationが制限した状態です。Edge IP Validationは、BYOIPのIP範囲、専用・固定IP、特定顧客に関連付けられたIP空間が、無関係なCloudflareアカウントや未登録ホストから使われることを防ぎます。
公式が挙げる代表例は二つです。一つは、DNSレコードの仮IPとして以前から1.1.1.1を指定している構成です。もう一つは、Cloudflare for SaaSを使うサービスへ独自ドメインを接続したものの、そのホスト名が提供会社側で正しく登録・検証されていない構成です。
1000・1002・1014・1001との違い

| 表示 | 主な意味 | 最初の確認 |
|---|---|---|
| 1034 | 制限されたEdge IPとアカウント・ホストの関連が合わない | 1.1.1.1、SaaSホスト登録、BYOIP・専用IP権限 |
| 1000 | 禁止IP、プロキシ循環、転送ヘッダー、SNI等 | 実オリジン、DNS、プロキシ、ヘッダー |
| 1002 | DNSが禁止・制限IPまたは誤ったCNAMEを指す | A・CNAMEのContent、オリジンIP |
| 1014 | 別CloudflareアカウントのゾーンへCNAME | ゾーン所有、SaaS Custom Hostname |
| 1001 | 要求ドメインのDNS解決失敗 | ホスト名、権威DNS、CNAME最終参照先 |
別アカウントのCloudflareゾーンへCNAMEした直後なら、Cloudflare Error 1014のCNAME・SaaS確認手順も比較してください。禁止・制限IPをDNSの接続先にした1002は、Cloudflare Error 1002の確認手順で切り分けます。
変更前に証拠と現在値を保存する

1034を直す前に、どのホストが、どのDNS設定を通り、どのサービスへ接続する予定だったかを記録します。トップだけでなく、www、サブドメイン、管理画面、APIなど、同じゾーン内でもホストごとに結果が違うか確認してください。
- Error 1034とEdge IP Restrictedが読める画面全体
- Ray ID、発生時刻、タイムゾーン
- 失敗した完全なURLとホスト名
- Cloudflareのアカウント名とゾーン名
- DNSレコードのType、Name、Content、Proxy status、TTL
- 直前にDNS・SaaS・サーバーを変更した日時と担当者
- 接続する予定のホスティング会社・SaaS名
- SaaS提供会社から指定されたCNAME target
- Custom Hostnameと証明書の状態
- BYOIP・専用IP・固定IP契約の有無
DNSレコードのContentを確認する
Cloudflareダッシュボードで対象ゾーンのDNS Recordsを開き、エラーになったホストのA、AAAA、CNAMEを確認します。見るのは公開DNSの応答だけでなく、管理画面に保存されているContentです。プロキシ済みレコードを外部からdigするとCloudflareのAnycast IPが返るため、それだけで誤設定とは判断できません。
dig A example.com +short
dig AAAA example.com +short
dig CNAME www.example.com +short
コマンドのexample.comは実際のホスト名へ置き換えます。結果は経路確認に使いますが、オレンジ雲のレコードでは実オリジンIPを公開しないのが通常です。正しいオリジン値は、契約サーバーの管理画面・公式案内・移行記録とCloudflare DNSのContentを照合します。
Contentが1.1.1.1だった場合
Cloudflare公式は、ドメインを1.1.1.1へ向けていた構成は1034になると明記しています。通常のWordPressなら、ホスティング会社が指定する実オリジンIPまたは正式なCNAMEへ直します。1.1.1.1を別の適当なCloudflare IPへ置き換えてはいけません。
オリジンを持たない転送・Workers構成の場合
Redirect RulesやWorkersだけで処理し、接続先サーバーを持たない構成では、Cloudflare公式のoriginless setupの案内に従い、IPv4の192.0.2.0またはIPv6の100::を仮IPにできます。このDNSレコードはプロキシを有効にし、ルールが対象ホストへ正しく一致することも確認します。
ただし、実際にWordPressサーバーへ接続するサイトで仮IPを使うと、オリジンへ到達できません。通常のWordPressとoriginless構成を混同せず、現在の設計を確認してから変更してください。
Cloudflare for SaaSの登録状態を確認する
ブログサービス、会員サイト、予約システム、ホワイトラベル機能などへ独自ドメインを接続している場合、提供会社がCloudflare for SaaSを使っていることがあります。この構成では、利用者側のDNSだけでなく、提供会社側でそのホスト名をCustom Hostnameとして登録・検証する必要があります。
- SaaS提供会社が指定した正確なCNAME targetを確認する
- 対象ホスト名が提供会社側へ登録済みか確認する
- hostname statusがactiveか確認する
- ssl.statusがactiveか確認する
- DNSが現在のSaaS targetを指しているか確認する
- 別SaaSや旧契約のCNAMEが残っていないか確認する
Cloudflare公式のHostname validationでは、hostnameの所有確認と証明書確認は別の状態です。hostnameがactiveでも証明書がactiveとは限らず、DNSの接続先も合って初めて本番HTTPSの準備が整います。
利用者がSaaS提供会社のCloudflareアカウントを操作できない場合は、勝手に別のIPを試さず、ホスト名、現在のCNAME、1034画面、Ray ID、発生時刻を提供会社へ送ります。「DNSは合っているはず」だけでなく、Custom Hostnameの登録と検証状態を確認してもらってください。
BYOIP・専用・固定IPを利用している場合
BYOIPやCloudflareの専用・固定IPは、通常の共有Anycast IPとは管理方法が異なります。Cloudflare公式のBYOIPでは、IP prefixの所有確認、利用アカウント、Address Map、service bindingなどで、どのIPをどのサービス・ゾーンに使うかを管理します。
- 問題のIPを所有・契約するCloudflareアカウント
- 現在ゾーンが所属するアカウント
- 別アカウントへのprefix delegationの有無
- Address Mapのアカウント・ゾーン関連付け
- IP address service bindingの対象サービス
- 直前のアカウント移動、契約変更、委任変更
- SaaS提供会社と自社のどちらがIPを管理するか
これらは契約・アカウント権限に関わるため、一般サイトのDNS画面だけで直せない場合があります。Cloudflareの契約担当者またはSaaS提供会社へ、IP、ゾーン、アカウント、変更日時をそろえて確認します。権限が不明なIPをAレコードへ入れて回避しないでください。
原因別の安全な直し方

通常のWordPressが1.1.1.1を指していた
ホスティング会社へ正しいオリジンIPまたはCNAMEを確認し、対象ホストのContentだけを更新します。AとAAAAが同じ名前にある場合は両方を確認し、古いAAAAだけが別IPを指していないかも見ます。変更前後の値、担当者、時刻を保存します。
originless構成の仮IPが不適切だった
Redirect RulesやWorkersで完結することを確認し、公式の仮IP192.0.2.0または100::へ変更します。Proxy statusは有効にし、対象ルール、ホスト条件、リダイレクト先、HTTPSを確認します。WordPressオリジンが必要なホストには使いません。
SaaSのカスタムホスト登録が不足していた
提供会社の手順に従ってCustom Hostnameを登録・検証し、hostname status、ssl.status、DNS targetをそろえます。利用者側で完了できない場合は、提供会社に1034の証拠を渡します。検証完了前にCNAMEを何度も切り替えると、所有確認と証明書確認が遅れる場合があります。
BYOIP・専用IPのアカウント関連が違っていた
IPを管理するアカウント、ゾーン、委任、Address Map、service bindingを正しい契約状態へそろえます。変更範囲が他ゾーンへ影響する可能性があるため、担当者の確認なしにprefix全体やAddress Mapを削除しません。
修正後の確認項目
- Error 1034が消え、意図したWordPressページが表示される
- ルート、www、使用中サブドメインのDNSが設計どおり
- トップ、投稿、固定ページ、カテゴリー、検索、404が正常
- 管理画面のログイン、保存、プレビューが正常
- 画像、CSS、JavaScript、REST API、サイトマップが正常
- HTTPS証明書が対象ホストと一致する
- SaaS利用時はhostname statusとssl.statusがactive
- 1000、1001、1002、1014、1018・1023、523へ変化していない
- 不要な1.1.1.1や古いCNAMEが残っていない
- 変更内容、担当者、復旧時刻、提供会社の回答を記録した
修正後に「Could not find host」へ変わった場合は、Cloudflare Error 1018・1023のホスト確認手順で、ゾーン状態とホスト情報の反映を確認します。
やってはいけない対処
- 証拠を保存せずA・AAAA・CNAMEを削除する
- 1.1.1.1を別のCloudflare IPへ置き換える
- 通常のWordPressへoriginless用の仮IPを設定する
- プロキシ済みのdig結果だけでオリジンIP誤りと断定する
- SaaS提供会社の指定と違うCNAMEを推測で試す
- hostname statusだけ見てssl.statusを確認しない
- 権限のないBYOIP・専用IPを別アカウントで使う
- Address Mapやprefix委任を影響確認なしに削除する
- 1034をWordPressプラグイン障害と決めつける
- 機密情報を含む画面・ログを公開フォーラムへ載せる
よくある質問
Cloudflareのプロキシを一時的に外せば直りますか?
原因確認なしにDNS onlyへ変えることは勧めません。Cloudflareの防御やSaaS経路を外し、実オリジンIPを公開したり、別の証明書エラーへ変わったりする場合があります。まず現在のContentと接続設計を確認してください。
1.1.1.1は何に置き換えればよいですか?
通常のWordPressならホスティング会社が指定する実オリジンIPまたはCNAMEです。オリジンを持たない転送・Workers構成だけ、設計を確認したうえで公式の192.0.2.0または100::を使います。
SaaS側の設定は自分で直せますか?
利用者が操作できるのはDNSまでで、Custom Hostnameの登録や専用IPの利用権限は提供会社側にあることが多いです。CNAMEが指定どおりでも1034が続くなら、証拠を添えて提供会社へ登録・検証状態を確認します。
まとめ
Cloudflare Error 1034は、制限されたEdge IPと要求ホスト・Cloudflareアカウントの関連を確認できないときのエラーです。通常のWordPress、originless構成、Cloudflare for SaaS、BYOIP・専用IPでは、確認する管理者と正しい接続先が異なります。
1034の証拠とDNSの現在値を保存し、1.1.1.1、SaaSのCustom Hostname、BYOIP・専用IPの権限を分けて確認してください。推測で別IPへ迂回せず、正しいホストと接続先の関連だけを直すことが安全な復旧です。