WordPressのサイトヘルスやレンタルサーバーから「PHPのバージョンが古い」と案内されても、どこで確認し、何へ変更すればよいのか分かりにくいものです。更新後に画面が真っ白になったり、プラグインが動かなくなったりしないか不安な人も多いでしょう。
PHPはWordPressを動かすサーバー側の実行環境です。WordPress本体だけでなく、テーマ、プラグイン、独自コードもPHPの影響を受けます。
結論から言うと、警告を消すためだけに「選べる中で最も新しいPHP」へ一気に変更してはいけません。現在の環境と互換性を記録し、バックアップと元へ戻す方法を用意して、テスト後に1回の変更として反映します。
この記事では、PHPバージョンの確認方法、変更先の考え方、更新前後のチェック、不具合が出たときの戻し方を初心者向けに整理します。
先に結論:PHP更新は6段階で進める
| 段階 | 確認すること | 完了の目安 |
|---|---|---|
| 1. 現状確認 | PHP、WordPress、テーマ、プラグインのバージョン | 変更前の状態を記録できた |
| 2. 変更先判断 | WordPress公式互換表と各提供元の対応 | 候補PHPを1つに絞れた |
| 3. 復旧準備 | バックアップとPHPの戻し方 | 不具合時の手順が分かる |
| 4. テスト | テスト環境で表示・機能・エラーを確認 | 主要機能が正常に動く |
| 5. 本番変更 | 対象サイトだけをサーバー側で変更 | 変更時刻と設定値を記録した |
| 6. 動作確認 | 公開画面、管理画面、フォーム、予約処理 | 問題なし、または元へ戻した |
サイトヘルスの警告の読み方から確認したい場合は、先にWordPressサイトヘルスの見方を確認してください。
PHPとは?WordPressで更新が必要な理由
PHPは、WordPressが記事や設定を読み込み、ブラウザーへ表示するページを組み立てるために使う言語です。PHPのバージョンは、一般的にWordPress管理画面ではなく、レンタルサーバーの管理画面やサポートによって設定されます。
古いPHPを使い続ける主な問題は、次の3つです。
- PHP本体のセキュリティ修正が終了する
- 新しいWordPress本体やプラグインが対応対象から外す
- 提供元のサポートで、先にPHP更新を求められることがある
新しいPHPには性能改善も含まれますが、PHPを変更しただけで、すべてのサイトが同じ割合で速くなるわけではありません。画像、キャッシュ、テーマ、プラグイン、広告、サーバー負荷なども表示速度へ影響します。速度の切り分けはWordPressが重い原因と改善順で確認できます。
どのPHPバージョンへ変更すればよい?
2026年7月15日時点で、WordPress.orgの推奨要件はPHP 8.3以上です。一方、WordPress本体の互換表では、WordPressのバージョンごとに利用できるPHPが示されています。さらにPHP本体には、別のサポート期限があります。
| 確認軸 | 何が分かるか | 注意点 |
|---|---|---|
| WordPress推奨要件 | 安全で現代的な運用の基準 | 推奨値だけでテーマ・プラグインの動作は保証されない |
| WordPressとPHPの互換表 | WordPress本体が対応する組み合わせ | 自分のWordPressバージョンの行を見る |
| PHPのサポート期限 | PHP本体の修正がいつまで提供されるか | アクティブサポートとセキュリティのみの期間がある |
| テーマ・プラグインの要件 | 実際のサイト構成で利用できるか | 配布元の要件、更新履歴、サポート情報を確認する |
| サーバーの提供状況 | 管理画面で選べるPHPと変更方法 | サーバーごとに反映範囲や戻し方が異なる |
2026年7月時点のPHPサポート状況
| PHP | PHP本体の状況 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 8.2 | セキュリティ修正のみ。2026年12月31日まで | 短期的に使えても、次の更新計画が必要 |
| 8.3 | セキュリティ修正のみ。2027年12月31日まで | WordPress.orgの推奨基準を満たす |
| 8.4 | アクティブサポートは2026年12月31日まで | WordPress・テーマ・プラグイン・サーバーの対応を確認 |
| 8.5 | アクティブサポートは2027年12月31日まで | 新しさだけで選ばず、自分の構成で検証する |
PHP 7.4、8.0、8.1などはPHP本体の公式サポートが終了しています。古いPHPを使っている場合は放置せず、ただし大きく飛び越えて変更する前にサーバーや保守担当へ相談してください。
安全な変更先は「一番大きい数字」ではなく、WordPress本体・利用中のテーマとプラグイン・サーバーがそろって対応し、テストできたバージョンです。
現在のPHPバージョンを確認する方法
方法1:WordPressのサイトヘルスで確認する
- WordPress管理画面で「ツール」を開く
- 「サイトヘルス」を選ぶ
- 「情報」タブを開く
- 「サーバー」を展開する
- PHPバージョンを確認する
同じ画面で、WordPressのバージョン、使用中テーマ、プラグイン、データベースなども記録できます。サポートへ相談する場合は、警告文と確認日時も一緒に残しましょう。
方法2:レンタルサーバーの管理画面で確認する
サーバー管理画面では、「PHP設定」「PHPバージョン切替」「サイト設定」などの名称で表示されることがあります。複数ドメインを運営している場合は、確認しているドメインと設定対象が一致しているかを必ず見てください。
WordPress側とサーバー側で表示が違う場合は、サブドメイン、テスト環境、反映待ち、サーバーごとの設定単位を確認し、自己判断で設定を重ねずサポートへ問い合わせます。

PHP更新前に確認する6項目
1. 現在の構成と変更前の状態を記録する
- 現在のPHPバージョン
- WordPress本体のバージョン
- 有効なテーマと子テーマ
- 有効なプラグイン
- サイトヘルスの警告
- 現在発生しているエラー
- サーバー側でPHPを元へ戻す場所
変更前から存在する表示崩れやエラーを記録しておくと、PHP変更によって発生した問題と区別できます。
2. ファイルとデータベースをバックアップする
バックアップは、ファイルとデータベースの両方を対象にします。取得時刻、保存先、復元方法まで確認してください。準備方法はWordPressバックアップの取り方で整理しています。
3. WordPress・テーマ・プラグインを確認する
公式の更新情報と動作要件を読み、保留している更新や長期間更新されていないプラグインを把握します。更新を行う場合は、バックアップ後に1つずつ進め、表示を確認します。安全な順番はWordPress更新のやり方を参考にしてください。
不要なプラグインがある場合も、PHP変更と同時に大量削除しません。まず役割と依存関係を調べ、WordPressプラグインを減らす方法に沿って別作業として整理します。
4. 互換性を公式情報で確認する
WordPress本体は公式のPHP互換表で確認し、テーマとプラグインは配布元の動作要件、更新履歴、FAQ、サポート情報を確認します。独自テーマ、古い子テーマ、外注したコード、販売終了プラグインがあるサイトは特に慎重に進めます。
互換性チェックツールで問題なしと出ても、実際のフォーム送信、決済、予約、管理操作まで保証されるわけではありません。自分のサイトで使う機能を動かして確認します。

5. テスト環境で先に変更する
サーバーのステージング機能などでPHPを本番と別に設定できる場合は、テスト環境から変更します。用意の仕方と使い分けはWordPressテスト環境の作り方で確認できます。
6. 変更時間と切り戻し方法を決める
アクセスや注文、問い合わせが比較的少なく、作業後に確認時間を取れる時間帯を選びます。変更前のPHPへ戻す操作、サポート窓口、バックアップ復元の担当も決めておきます。
WordPressのPHPを安全に更新する手順
サーバーごとに画面名は異なりますが、共通する安全な進め方は次のとおりです。

- 現在のPHPとサイト状態を記録する
- ファイルとデータベースのバックアップを確認する
- WordPress・テーマ・プラグインの対応状況を確認する
- 変更先のPHPを1つに決める
- テスト環境のPHPを変更し、主要機能を確認する
- 本番サーバーで対象ドメインを再確認する
- PHPを1回だけ変更し、変更時刻を記録する
- 反映後にキャッシュ状態を確認し、サイトを再点検する
管理画面に複数のPHP設定がある場合、Webサイト用、コマンド用、サブドメイン用など対象が分かれることがあります。不明な項目は変更せず、利用中サーバーの公式マニュアルかサポートを優先してください。
変更直後に別の更新や高速化設定を重ねないことが重要です。問題が出たときに原因をPHP変更へ絞れるよう、まず動作確認を終えます。
PHP変更後に確認するチェックリスト
| 確認場所 | 確認内容 |
|---|---|
| サイトヘルス | PHP表示、重大な問題、おすすめの改善、REST API、ループバック |
| 公開ページ | トップ、代表記事、画像、メニュー、スマホ表示 |
| 管理画面 | ログイン、投稿編集、画像アップロード、更新画面 |
| 重要機能 | 問い合わせ、検索、予約投稿、会員・決済など利用機能 |
| 計測・広告 | GA4、Search Console用タグ、広告表示、主要リンク |
| サーバー | エラーログ、PHP表示、設定対象ドメイン、反映時刻 |
表示確認はログイン中の画面だけでなく、シークレットウィンドウやスマートフォンでも行います。サイトヘルスが正常でも、フォームやテーマ固有機能まで正常とは限りません。
不具合が出たときの戻し方
PHP変更後に「重大なエラー」、500エラー、白い画面、管理画面へ入れない、フォームが動かないなどの問題が出たら、追加のプラグイン停止や設定変更を重ねる前に切り戻します。
- エラー画面、発生時刻、操作内容を記録する
- サーバー管理画面でPHPを変更前の値へ戻す
- 反映を待ち、公開画面と管理画面を確認する
- 必要に応じてキャッシュを確認する
- 元へ戻っても直らない場合だけ、エラーログとバックアップ復元を検討する
- 原因候補のテーマ・プラグイン・独自コードの提供元へ相談する
サイトが表示されない状態で、推測によるコード修正、データベース操作、複数プラグインの一括停止を同時に行わないでください。変更履歴を1つに保つ方が、復旧と原因特定がしやすくなります。
エラーを公開画面へ表示する設定は、サーバーパスなどを訪問者へ見せるおそれがあります。デバッグ情報の扱いを含む基本対策はWordPressセキュリティ設定の基本も参考にしてください。
サポートへ伝えると解決しやすい情報
- 対象ドメイン
- 変更前と変更後のPHPバージョン
- 変更日時と問題の発生日時
- WordPress、テーマ、主要プラグインのバージョン
- 表示されたエラー全文
- 問題が出るページと操作
- PHPを元へ戻した結果
- 直前にPHP以外の変更をしたか
パスワード、APIキー、データベースの認証情報、個人情報を含むログは送らず、公式サポートが指定する安全な方法を使います。
PHP更新で避けたい5つの失敗
| 失敗 | 避ける方法 |
|---|---|
| 数字だけで最新版を選ぶ | WordPress本体、テーマ、プラグイン、サーバーの対応を確認 |
| バックアップだけ取り、戻し方を確認しない | PHPの切り戻しとバックアップ復元を別々に確認 |
| PHPとプラグインを同時に多数変更する | 1変更ごとに表示と機能を確認 |
| トップページだけ見て完了する | 管理画面、フォーム、予約、スマホ、ログも確認 |
| 問題が怖くて古いPHPを放置する | テストとサポートを使い、期限を決めて更新計画を作る |
PHPを変更しにくいサーバーは見直すべき?
PHP変更画面が分かりにくいだけで、すぐにサーバー移行が必要とは限りません。まず公式マニュアルとサポートへ確認します。ただし、次の状態が繰り返す場合は、保守性を含めて見直す材料になります。
- サポート中のPHPを選べない
- 切り戻し方法や反映範囲が確認できない
- バックアップやテスト環境を用意しにくい
- サーバー側の制限による警告が複数続く
- 問い合わせても運用に必要な情報が得られない
判断を急がず、レンタルサーバーを見直すべきタイミングで移行コストも含めて整理してください。比較前にはWordPressレンタルサーバーの選び方で、提供PHP、バックアップ、テスト環境、サポートを確認します。
WordPressのPHP更新でよくある質問
PHP 8.3、8.4、8.5のどれを選べばよいですか?
2026年7月15日時点のWordPress.org推奨要件は8.3以上です。ただし、利用中のWordPress、テーマ、プラグイン、サーバーが対応し、テストで正常だったバージョンを選びます。最新という理由だけで8.5を選ばないでください。
WordPress管理画面からPHPを変更できますか?
通常、WordPress管理画面では現在値を確認できますが、PHPそのものはレンタルサーバー側で変更します。管理型サーバーでは公式手順やサポートを利用してください。
PHPを更新するとサイトは速くなりますか?
処理効率が改善する可能性はありますが、速度向上は保証されません。変更前後を同じ条件で測り、画像、キャッシュ、テーマ、プラグイン、サーバー負荷も含めて判断します。
変更後もサイトヘルスの警告が消えないのはなぜですか?
別ドメインを変更した、反映に時間がかかっている、複数のPHP設定がある、キャッシュされた情報を見ているなどが考えられます。WordPressの情報タブとサーバー側の対象ドメインを再確認し、解決しない場合は変更時刻を添えてサポートへ相談してください。
PHPは変更後に元へ戻せますか?
多くのレンタルサーバーには切り替え機能がありますが、提供期間や操作方法はサーバーごとに異なります。変更前に、元のPHPが引き続き選べるか、反映時間、サポート依頼が必要かを確認してください。
まとめ:PHPは変更前の確認と戻せる準備が重要
WordPressのPHP更新は、古い環境を安全に保守するために必要な作業です。ただし、推奨値や最新番号だけで変更先を決めると、テーマ・プラグイン・独自コードとの不具合を見落とすことがあります。
現在のPHPとサイト状態を記録し、公式互換表と提供元情報を確認します。バックアップ、テスト環境、切り戻し手順を用意したうえで、PHPだけを1回変更し、公開画面と重要機能を確認してください。
最初の一歩は、「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」→「サーバー」で現在のPHPを確認し、スクリーンショットまたはメモを残すことです。