Cloudflare経由のWordPressで「523 Origin Is Unreachable」が出て、公開ページも管理画面も開けないことがあります。サーバー移行、IP変更、DNS編集、ネットワーク構成変更の後に発生しやすいエラーです。
523は、Cloudflareが設定されたオリジンサーバーへ到達できない状態です。WordPressの記事内容ではなく、A・AAAA・CNAME、オリジンIP、IPv6、ホスティングやネットワークの経路を先に確認します。
523を見て、Cloudflare DNSのレコードを推測で削除・作り直さないでください。メール、サブドメイン、検証レコードまで壊すおそれがあります。現在値を保存し、ホスティングの正式な接続先と一項目ずつ照合します。
先に結論:523エラーは8段階で確認する
- エラーURL、日時、タイムゾーン、Ray IDを記録する
- Cloudflareとホスティングの障害・保守情報を確認する
- Cloudflare DNSのA・AAAA・CNAME現在値を保存する
- ホスティングが示す現在のオリジンIP・ホスト名と照合する
- 移行後の旧IP、不要なAAAA、CNAME先の名前解決を確認する
- 521の拒否、522の時間切れ、523の経路不達を分ける
- 原因となるレコードまたは経路だけを修正する
- DNS反映、SSL、WordPress表示、メール、監視まで確認する
接続先が正しいのにオリジンが拒否する場合はWordPressの521エラーを直す確認順、接続経路で応答待ちになる場合はWordPressの522エラーを直す確認順へ切り替えてください。
523エラーとは?
Cloudflare公式のError 523は、CloudflareがオリジンWebサーバーへ接触できない状態です。代表原因は、Cloudflareとオリジンの間にあるネットワーク機器が、オリジンIPへの経路を持たないことです。
Cloudflare公式は、DNSアプリに正しいオリジンIPが設定されているか、オリジンやCloudflareとの間にルーティング問題がないかを確認するよう案内しています。つまりWordPress管理画面でパーマリンクを保存するような対処は、通常の最初の一手ではありません。
523はCloudflareが生成する接続系のエラーです。オリジンが標準の404や500を返した状態とは異なり、Cloudflareがそのオリジンまで到達できていません。DNSと経路を直した後に、WordPress自体の状態を確認します。

404・502・521・522・523の違い
| 表示 | 主な状態 | 最初に見るもの |
|---|---|---|
| 404 Not Found | 接続先で対象URLが見つからない | 投稿、スラッグ、パーマリンク |
| 502 Bad Gateway | 中継層が上流から無効な応答を受けた | プロキシと上流 |
| 521 Web Server Is Down | オリジンが接続を拒否 | Webサーバー、ポート、遮断 |
| 522 Connection Timed Out | オリジン接続が時間内に進まない | 負荷、遮断、パケット損失 |
| 523 Origin Is Unreachable | 設定されたオリジンへの経路がない | DNS、IP、IPv6、ルーティング |
特定投稿だけ404ならWordPressの404エラーを直す手順を使います。Cloudflareがオリジンまで届かない523では、サイト内URLより接続先情報を先に確認します。
WordPressで523が出る主な原因
1.Aレコードが古いオリジンIPv4を指している
サーバー移行、障害復旧、プラン変更でオリジンIPが変わっても、Cloudflare DNSが旧IPのままだと、停止済み・返却済みのサーバーへ接続しようとします。ホスティング管理画面と案内メールの現在値を確認します。
2.AAAAレコードだけ誤ったIPv6を指している
IPv4は正しくても、利用できないIPv6をAAAAへ設定すると接続経路が不安定になることがあります。ホスティングがIPv6オリジンを正式に提供しているか確認し、提供されていない値を推測で残しません。
3.CNAMEの接続先が解決できない
CNAME先のホスト名が削除・変更・期限切れになり、最終的なオリジンIPを取得できない場合があります。CNAMEの文字列だけでなく、最終的にどのIPへ解決されるかを確認します。
4.サーバー移行でDNSと実データの切り替え順がずれた
新サーバーの準備前にDNSを変えた、旧サーバーを先に停止した、Cloudflare側だけ更新した場合、正しい経路がない時間が生まれます。WordPressサーバー移行の前後確認に沿って、データ、SSL、DNS、公開確認を順番にそろえます。
5.ホスティングや上位ネットワークでルーティング障害がある
DNS値が正しくサーバーも稼働していても、CloudflareからオリジンIPへの経路が広告されていない、上位ネットワークで破棄される場合があります。サイト管理者だけでは直せないため、提供元へ調査を依頼します。
6.VPCやルートテーブルがCloudflareの公開IP範囲を誤って私設経路へ送る
Cloudflare公式はAWS環境の例として、広すぎる172.0.0.0/8のルートがCloudflareの公開範囲172.64.0.0/13を誤って取り込むケースを挙げています。172から始まるIPをすべて私設IPと決めつけず、実際のCIDRを確認します。
最初の10分で行う安全な初動
1.DNSの現在値を変更前に保存する
対象ホスト名のA、AAAA、CNAME、Proxy status、TTL相当の設定を画面と文字で保存します。MX、TXT、メール用ホストなど、今回触らないレコードも誤削除を防ぐため一覧を残します。
2.ホスティングの正式な接続先を確認する
契約管理画面、移行完了通知、サポート回答から、現在のIPv4・IPv6・CNAME先を確認します。過去のメモ、古い記事、第三者サイトのIP一覧は根拠にしません。
3.Ray IDと発生範囲を記録する
URL、時刻、Ray ID、全ホストか一つのサブドメインだけかを記録します。`www`だけ、ルートドメインだけ、画像用サブドメインだけなら、該当レコードと経路を優先できます。
どの経路情報が誤っているか特定する
| 確認先 | 見るもの | 判断の手がかり |
|---|---|---|
| Cloudflare DNS | A・AAAA・CNAME、Proxy status | 対象ホストの接続先が正しいか |
| 権威DNS | ネームサーバー、ゾーン反映 | 編集したゾーンが実際に使われているか |
| ホスティング | 現在IP、移行状態、障害情報 | 接続先が提供中か |
| IPv6 | AAAA、提供状況、到達性 | IPv6だけ誤経路になっていないか |
| ネットワーク | MTR、traceroute、BGP・ルートテーブル | どこで経路が途切れるか |
| WordPress | URL設定、SSL、移行後データ | 経路復旧後にサイトが正常か |
Cloudflare公式のDNS動作資料では、プロキシ対象レコードに対する問い合わせへCloudflareのAnycast IPを返し、その背後でDNS表に設定したオリジンへ通信する仕組みが説明されています。閲覧者に見えるIPとオリジンIPを混同しません。
Cloudflareの診断ヘッダーやRay ID、ホスティングの接続ログを同じ時刻で照合します。経路問題はWordPressログに何も残らない場合があるため、WordPressログが空だから正常とは判断しません。

原因別の安全な直し方
1.Aレコードを正式な現在IPv4へ修正する
対象ホスト名と現在のオリジンIPv4を一対一で確認し、そのAレコードだけを修正します。旧IPを消す前に、新オリジンでサイト、SSL、管理画面、メールへの影響を確認します。
2.AAAAはIPv6提供状況に合わせる
ホスティングが正式なIPv6を提供する場合は正しい値へ修正します。提供していない場合は、他のサービスへの影響を確認して誤ったAAAAだけを整理します。IPv6全体を無効にする判断はしません。
3.CNAME先と最終IPの名前解決を直す
サービス提供元が指定する正確なホスト名へ合わせ、末尾の入力、重複、削除済みホストを確認します。外部サービスのCNAMEを自サイトの同じホストへ戻してループさせないようにします。
4.移行手順を新旧サーバーでそろえる
新サーバーのデータ同期、SSL、WordPress URL、固定ページ、画像、フォームを確認してから経路を切り替えます。転送が繰り返される場合はWordPressのリダイレクトループを直す手順でHTTPS・CDN・サーバー転送を分けます。
5.ルーティング障害はホスティングへ調査を依頼する
DNSが正しいのに523が続く場合は、オリジンからCloudflare IPへのMTR・traceroute、上位ネットワーク、BGP経路を確認してもらいます。経路上の一つの応答しない中継点だけで障害箇所を断定しません。
6.VPCルートは正確なCIDRで修正する
クラウド環境では、広すぎるルートがCloudflareの公開範囲を私設経路へ送っていないか確認します。ルートテーブル変更は影響範囲が大きいため、ネットワーク担当と復元手順を決めてから実施します。
本番DNS変更前に確認できる部分は、WordPressのテスト環境を作る手順に沿って表示、SSL、保存、フォームを検証します。

やってはいけない対処
- A・AAAA・CNAMEを現在値の保存なしで全削除する
- メールや検証用のMX・TXTまで一括変更する
- 閲覧者に見えるCloudflare IPをオリジンAレコードへ設定する
- 古いメモや第三者サイトのIPをそのまま使う
- IPv4が正しいだけでAAAAを確認しない
- DNS反映待ちの間に何度も別の値へ変更する
- 経路障害をWordPressプラグイン停止で直そうとする
- オリジンIP、Ray ID、認証情報を公開する
復旧後の確認チェックリスト
- 主要ホスト名がCloudflare経由で200を返す
- A・AAAA・CNAMEが正式な現在値と一致する
- ルートドメイン、www、画像、管理画面が正常である
- SSL証明書とHTTPS転送が正常である
- 旧サーバーへ通信が残っていない
- メール用DNSレコードが変わっていない
- 別回線・別地域でも523が再発しない
- WordPressの保存、画像、フォームが正常である
- 不要な一時レコードを整理した
- 監視とバックアップが正常に戻った
5xxが長期間続くと検索クロールにも影響します。GoogleのHTTPステータス公式資料に沿って、復旧後に重要URLの2xxとクロール状態を確認します。
自力で直せないときに伝える情報
- 523が出た完全なURLとホスト名
- 日時、タイムゾーン、Ray ID
- Cloudflare DNSのA・AAAA・CNAME現在値
- ホスティングが示す正式なオリジン情報
- 移行・IP変更・DNS変更の日時
- 全ホストか特定サブドメインだけか
- MTR・tracerouteの結果
- 実施した変更と元へ戻す値
ホスティングには、オリジンIPの現在値とCloudflareからの経路を確認してもらいます。DNSが正しい証拠、Ray ID、経路調査をそろえてCloudflareへ相談します。
よくある質問
523はDNSエラーですか?
DNSのオリジンIP誤りが代表原因ですが、正しいIPでもネットワーク経路がなければ発生します。DNS、IPv6、ホスティング、ルーティングを分けて確認します。
Cloudflareを停止すれば直りますか?
切り分けには使える場合がありますが、誤ったオリジンIPや経路障害は残ります。オリジンIPの露出と防御低下にも注意し、正式なDNSと経路を直してください。
DNS変更後は待つだけでよいですか?
正しい値へ変更したなら反映待ちは必要ですが、待っている間に別の値へ何度も変更しません。権威DNSで現在値を確認し、Cloudflare・ホスティング双方の状態を追います。
まとめ
523 Origin Is Unreachableは、Cloudflareが設定されたオリジンへ到達できない状態です。WordPress本文より先にDNSとネットワーク経路を確認します。
- DNS現在値とRay IDを最初に保存する
- 正式なオリジンIPv4・IPv6・ホスト名と照合する
- 旧IP、誤ったAAAA、解決不能CNAMEを確認する
- 経路障害はホスティングとCloudflareへ調査を依頼する
- 復旧後にSSL、メール、WordPress、検索クロールを確認する